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着物で宝塚観劇について その3

(2023年7月追記 観劇時の帯結びについての最新のブログはコチラ

 観劇枕や帯結ばない帯結び についての記事です)

 

 

こんにちは!オダハラです。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

オダハラは鼻水ズルズルでかマスクが手放せません(^^;;

 

そんなどうでもいい話はさておき、前回の続きです。

こんどは帯の話です。

 

この前のブログにも載せましたが、オダハラの後ろ姿をどうぞ。

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まあ普通のお太鼓結びというやつです。

横から見るとどうでしょう。

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ぺったんこです。

 

お太鼓結びといえば枕を背負うので、背中がふっくらとしたシルエットになります。

背中に帯がふっくらと大きく結ばれていること。それが着物姿のシルエットの良さでもあり、体型をカバーして美しく装うコツでもあります。

 

ペタンコのお太鼓結びなどおかしいと思われる方もおられると思います。

着付教室で習うのも、街中で見る着物姿の人も枕のあるお太鼓結びですので。

でも本来は、観劇はできるだけ平らに結ぶものだそうです。

TPOです。

 

ちなみにオダハラは、観劇の際は枕の代わりにハンドタオルを腰紐に巻きつけたものを使用しています。

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どういったものを枕の代用品で使うかは人によりけりですが、私の場合はこんな感じです。

枕をできるだけ低くすることで、観劇に最適な着物姿が出来上がります。

 

ですが、こういう話をすると、絶対に「え?お太鼓結びって観劇に最適な結び方でしょ?枕なんて数センチの厚みじゃないの。充分平らだし背もたれにもたれやすくていいわよ。何がダメなの?」と聞かれるんですよ…。

 

 

帯結びを平らにするのは、自分が座っていて楽だからという理由ではありません。

 

前のめりになると座高が高くなって後ろの人の迷惑になるんですよ。

 

劇場では、前のめりになっての観劇をしないようにとアナウンスされています。

 

観劇に不慣れな人は特に、舞台が盛り上がってくると前に身体を乗り出して魅入ってしまいます。

身体を前のめりにすると座高が高くなります。

これをされると、後ろの席の人は頭が邪魔になり舞台が見えなくなります(された人は分かってくれると思いますがホンマに見えなくなります)

 

着物姿だと、前のめりになるつもりは無くても、帯結びのせいで前のめりと同じような感じになってしまうんです。

 

「前のめりになると座高が高くなるって意味不明」と思われる方も多いと思います。「むしろ前に屈んだら座高が低くなるんじゃないの?」と思う人も多いようです。

これを見てください。

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↑座席って、少し斜めにもたれるようになっているんですね。

人が座ってない座席なので想像しにくいですが、背中を付けて座っている姿をまず想像し、背中を数センチ前に浮かせて座る姿を想像してみてください。

背中を少し浮かすと、背中が地面と垂直になりますよね?

それに伴い、頭の位置が高くなるんじゃないかって想像できませんか?

(説明が悪くてすみません)

 

実際の客席は、舞台に向けて傾斜が付いているのでもう少し複雑なのですが(垂直よりも更に前かがみになるほうが多分後ろの人の視界を遮ります)

 

また、前のめりになることにより、お尻の位置も前になることが多いのですが、椅子の構造上、お尻の位置が前になり更に前かがみになると座高がとんでもなく高くなります…。

 

前のめりになると座高が高くなるというのはまあそういうことです。

お太鼓の厚みは数センチですが、数センチ前になるだけで、結構座高は高くなります。

振袖にするような変わり結びなんてもってのほかです。

 

ちょっとのことですが、狭い劇場内では少し座高が高いだけで後ろの人の視界に頭が入るのです。

 

ちなみに男性など背の高い人が前に座っても、後ろの席の人は視界が妨げられます。

男性が前に座ったのなら

 

「背丈は生まれついてのものだし仕方がないわね…今日は運が悪かった」

 

と思うでしょう。

 

これが、着物の人が前に座って、そのせいで舞台が見えづらかなった場合だと、

 

「あの着物野郎!お前の帯のせいで前が見えにくいんだよ!着物なんか着てセレブ気取りやがって!着物着て劇場来んなよ!着物なんか滅んでしまえよ!」

 

…と、なる訳です。

 

直接本人に苦情を言う人は少ないので、当の着物姿の本人は気がついていなかったりするのですが、最近はネットで着物姿の観劇客がガンガンに叩かれていたりします。

 

観劇慣れしている人は、着物でもどのようにすれば後ろの人の迷惑にならないかよく分かっていて対処しているのですが、そうでない人のほうが圧倒的に多いのが現状です。

 

少しの注意で周囲に迷惑をかけることを防げるんですよ。

この記事を読んで、少しでも多くの人にこのことを理解して快適に観劇していただきたいなと思っています。

 

長くなりましたので、今日はここまでで、観劇に最適な帯の結び方については次回に致します。

 

 

 

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